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今回は「ロックウール」についてお話します。前回紹介したグラスウールと同じ「無機繊維系断熱材」でよく比較もされます。
この記事ではロックウールとグラスウールの違いについて詳しく解説します。
ロックウールとは?
玄武岩やスラグ(溶鉱炉でできた鉱物)を主原料とした断熱材で、石を高温で溶かして繊維状に加工して作られます。グラスウールと同じで繊維の間に空気を閉じ込め、その空気の層が断熱効果を発揮します。
ロックウールは国内シェア率9%のシェア率です。どういった用途で使われることが多いのか後述します。
グラスウールとの違い
まず、ロックウールの基本的性能をご紹介します。
・グラスウールよりは高いが他の断熱材より安いことが多い
・鉱物を主原料とし「不燃材料」であるため、耐熱性能が高い
・吸湿性を持たない無機質材料であるため湿気に強い
・シロアリの食害被害を受けるケースはほぼない
・グラスウールよりも高い耐久性
・吸音効果が高く、住まいの騒音をカットできる
基本的性能や見た目もグラスウールとよく似ていますがもちろん違いもありますのでご紹介します。
耐熱性能が高い、グラスウールより湿気に強い
ロックウールを紹介する時に1番のメリットは耐火性の高さです。700℃以上の熱を当てられてやっと変化がみられるくらい耐火性に優れています。ですので、火災に対する安全性が重視される建物や設備でよく使用されます。例えば、商業施設や工場、アパートなど、火災リスクが高い環境で採用されることが多いです。高温になる鉄鋼プラントや工場、配管を熱から守る場合などロックウールは重宝されます。また、鉱物が原料となるためグラスウールより湿気に強い特徴もあります。(強いと言ってももちろん湿気対策は必要です)その為、水を使用するなどで湿気が高くなりやすい高温多湿な環境で活躍します。
低音域の防音向き
重い素材を使用すると遮音性能は高まります。ロックウールは鉱物でグラスウールより重くなることが多いため、防音にも優れています。ロックウールは4000ヘルツまでの低音域の防音、グラスウールは4000ヘルツ以上の防音に向いていると言われています。もちろん密度や厚みで大きく変わります。
グラスウールと比べると材料費が高い
メーカーさんによっても異なりますがグラスウールと比較すると1.5倍くらいになるとも言われます。
耐久性が高いので長い目で見るとロックウールの方が安くなります!と説明する住宅メーカーさんもあるようですが、前の記事でも書いた通りグラスウールも耐久性が低いわけではありません。適切な施工がされていなければロックウールを使用したとしても耐久性は落ちますし、最大限の力を発揮することはできません。
金額はロックウールの方が高くなりやすいのは間違いありません。
まとめ
今回はグラスウールとよく似ているロックウールをご紹介しました。吹付ロックウールもありますが性能は変わりませんので割愛させて頂きました。ご了承ください。
通常のお家ならグラスウールでも良いかもしれませんが、商業地域、防火地域・準防火地域など指定されているエリアで建築される場合にはロックウールの導入も検討してみてください。
グラスウールと同様、隙間ないキッチリとした施工が大前提となりますので検討しているメーカーさんにどんな職人さんなのか?決まった大工さんが作っているのか?など、よく確認してみてくださいね。