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最近ではマイホームの購入を考える際にUA値やC値といった性能を数値化する言葉もよく耳にするようになりました。
どこの会社さんも「高気密・高断熱」を謳っていますね。もちろん大切なのは分かりますがよく分からないという方が多いのも事実です。
弊社でも気密測定をさせて頂きましたので、今回は気密性能の簡単な説明と先日行った気密測定の結果もお伝えできたらと思います。
気密性能とは?
気密性能とはお家全体の面積に対して、どれだけの隙間があるか?を数字化したものです。『C値』と示されます。これはインスタで見たことがある人も少なくないかもしれませんね。
「建物の隙間が少ない家=気密性能が高い=C値が低い」と表現されます。
皆さんが良く聞く「断熱性能(UA値)」は断熱材・窓の大きさ等図面上の情報をもとにどれだけ熱が逃げにくいかを表しますが、C値は1棟、1棟性能が変わるのでもし本当に性能を知りたい方は気密測定をするしかありません。
画像のバズーカのようなものが計測機器です。今回測定したのは断熱材施工後に計測しました。
「高気密」をPRしている会社さんも多いですが1棟、1棟それぞれ性能が変わるということはそのお家を建てる大工さんの腕で大きく変わります。カタログやモデルハウスの数値が良くても実際に建てるお家が同じ性能になる保証はありませんので注意してください。会社さんそれぞれで気密性能を担保できるよう工夫していると思いますのでよく確認してみてください。
気密性能が低い家のデメリット
1.光熱費が高くなる
C値が悪いとせっかく暖めた室内の空気が外へ逃げてしまいます。そうするとイメージされる通りエアコンが頑張り続けなくてはいけないので光熱費が高くなってしまいます。
2.夏は暑く、冬は寒い家に
隙間が多ければ室内の空気が出てしまうのはもちろんですが、外の冷たい空気も入ってきます。コールドドラフト現象という暖房をつけているのに足元が冷えるような家になってしまいます。春や秋の花粉シーズンには花粉の侵入も防げないのでアレルギーの発症にも繋がってしまいます。
3.計画的な換気が行えない
今の新築は換気システムの設置が義務付けられています。どういった換気システムを採用するかはいったん置いておいて・・・。
隙間だらけだとせっかく給気しても計画していた排気ルートではなく家の隙間から空気が出入りして家中に空気が回りません。その結果空気が澱み、ハウスダストでアレルギー疾患につながることもあります。
4.結露の危険性、家の寿命を縮めることになる
私の実家でもそうですが冬は中と外の寒暖差により窓枠が結露します。表面結露と言いますが今の新築は窓ガラスやサッシの進化により少なくなってきました。今の新築で気を付けなければいけないのは壁体内結露です。昔のお家は断熱材が無い家も多く、湿気を逃がす為にすきま風が入るよう作っていたといいます。今はもちろん断熱材があり、家の作り方が変わっていますのでC値が良くないと家の中の空気が漏れ、外の空気との気温差で壁体内結露が発生する可能性が高まります。最悪の場合、木が腐ったりと良いことがありません(これについては今度記事を書きますね)
これが気密性能が悪い主なデメリットです。
少し前までは「気密性能を良くすると息苦しくなってしまいますよ?」と仰る会社さんもあったようですが(今はそんなことをいう人はいないと信じたいです・・・)
もちろんそんなことはありませんのでご安心ください。
オールハウジングの家の気密性能は?
断熱工事完了後に気密測定を行いました。測定したお家は特別仕様などではなく標準の吹付断熱仕様のお家です。
見づらくてすみません(^^;
下線引いてあるところがC値で結果は0.6でした。メーカーさんが謳っている「高気密住宅」は1.0以下であれば高気密とみられるので基準は大きくクリアでき、ホッとしました。
気密を良くする方法はいくつもあるのでもし気になる方はご相談ください。
まとめ
UA値はインスタなどを見ていてもよく目にし、耳にするかなと思いますがそれだけでは不十分です。穴のたくさん開いたダウンジャケットはあったかくならず寒いのと同じで断熱と気密(もっと言えば換気も)はセットで考えないといけません。弊社では大工さんの腕の違いが出ないよう安く建ててくれるところではなく信頼できる大工さんに限ってお願いしております。
他の会社さんもこだわりの部分があると思いますので、担当の方に聞いてみてくださいね。